少年の人形を作るというのは思ったより苦しく、途中すこし息がつまりそうになりました。
それは何故か。
今までは自分の中にある「人形」のイメージ、例えば可愛らしいドレスを着た女の子のイメージ、それをまず念頭に置いて製作をしてきました。
しかし前回、等身大の人形を作った時から少し考え方が変わり、今回挑戦したのは少年。自分と同性の人形。
作っている感覚は今までとまるで違います。
造形的な面でもそうだし、何より自分と向き合うという点で違う。
男の私が男の体を作ること。
人形製作とは本来もっと硬質な、心の暗い部分とも向き合はねばならない事なのかもしれない、と考えさせられました。
自分の中の優しい、綺麗な部分だけを見て美しいものを作ろうとしていては、そろそろ先には進めなくなるのかもしれない…
もちろんそういう自分の物作りにおいての好きな部分を否定してしまうのではなく、プラスして行こうという考え方。
もっと違った角度からも自分の心と向き合う必要があるな、と考えるようになりました。
今回心にかかった微かな負荷は、もしかしたらその先に進むための扉を開く鍵になるのかもしれません。
まだまだ…これからですが。
良い経験をしたと思います。
磨きも全て終わり、次は下地塗装です。
最後まで気を抜かず頑張りましょう。