あまね

球体関節人形製作の記録

手塚治虫COVER タナトス篇

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幻の「火の鳥 COM版望郷編」が読みたくて購入。


火の鳥とは、断続的な過去と未来の話がループし、ひとつの壮大な物語として描かれた手塚治虫の代表作のひとつ。

その中の一編である「望郷編」は当時掲載されていた雑誌『COM』の廃刊に伴い、連載が中止されました。

現在一般的に「望郷編」として読まれているものは、その後全く別の物語として描かれ、別の雑誌に掲載されたもの。


手塚治虫作品には未完のものが多く(ネオファウスト、ルードヴィッヒB、一輝まんだら、など)火の鳥というシリーズ自体も、全体としては未完。

その後、大地編、アトム編が描かれ完結する予定だったとされています。


個人的には、火の鳥は未完だからこそ永遠の物語として完成されているのだ、と思いたいのだけど…もし全て描かれていたらどうなっていたのだろう?と思いを馳せてしまうのですね…


この「COM版望郷編」には、火の鳥の中で唯一、完全に独立した物語であるような「羽衣編」との繋がりを垣間見る事が出来てファンとしてはとてもワクワクできます(でも結局続きは読めないのですが…)


手塚治虫漫画は人間愛をテーマとされていますが、どれもうわべだけの甘っちょろいものではなく、孤独や死を感じさせるのですね。とても冷たい肌触りです。


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