あまね

球体関節人形製作の記録

思い出すための人形

もう一度、最初の人形の設計図から型紙をおこして新しい人形を作ろうと思ったのには、自分なりに理由があります。

 

 

しばらく人形を作っていると、技術的にも表現的にも、もっと上手くなりたいと思うようになってきます。

 

それは今でもそうです。

自分はまだまだ未熟だし、新しい事に挑戦するどころか、頭に浮かんだイメージを形にしてゆくのすら困難な事。日々腕を磨いて行きたい。

それはそれで正しい事だと思います。

 

 

しかし一方で、最初の頃に抱いていた人形に対する純粋な憧れや理想像が、しだいに薄れてゆくような気もします。

 

自分が思う、美しい、可愛い。

その姿は常に変化してゆき、なんとかして捉えようと必死になっているうちにふと、何をすれば良いのかわからなくなってしまう時が度々あります。

 

 

自分は人形の何に惹かれていたのか。人形を作る前は何が好きで、何をしていて、何を求めていた時に人形に出会ったのか。

 

人形を作る事で何が出来ると思ったのか。

どんな人形を作りたくて始めたのか。

なぜ人形を作ろうと思ったのか。

 

 

これから先、自由に作ってゆく為には今一度思い出しておく必要がある気がしたのです。