Tumblrの思い出
人形製作を始める前、Tumblrという写真版ツイッターみたいなのをやっていたのですが…
その時は風景写真をひたすら貼り付けていました。
人や動物の映っていない、とくに建造物や街中の風景が好きで、今も自分のiPhoneで写真を撮る時はなるべく人が映らないようにしています。
そのうち次第に、マネキンなどの人形が映りこんでいる風景に惹かれるようになり、Tumblrに人形写真を貼るようになりました。
音の無いような、時間の止まっているような風景に憧れていたんです。
そんな時に、丸善で開催されていた人・形展で、球体関節人形の実物を見て衝撃を受けました。
帰りに人形の作品集を何冊か買って帰りました。
先生の『吉田式』も手に取ったのですが、ぶきっちょな自分が球体関節人形を作れるとは思わなかったので、この時は違う本を買いました。最後の人形写真のところだけ欲しいな、と思ったのを覚えてます。
この時から球体関節人形の写真集の面白さにどっぷりハマって行きました。
人形は人の形をしていて、まるで生きているようですが、生き物ではないし…
かといってモノとは違う気もする。
彫刻などの造形物ともまた違うし。
音や時間の無い世界で生きる住人
球体関節人形は関節があるので動きがあって、マネキンなどよりリアルにそんな感じがしたのかもしれません。
思い出すための人形
もう一度、最初の人形の設計図から型紙をおこして新しい人形を作ろうと思ったのには、自分なりに理由があります。
しばらく人形を作っていると、技術的にも表現的にも、もっと上手くなりたいと思うようになってきます。
それは今でもそうです。
自分はまだまだ未熟だし、新しい事に挑戦するどころか、頭に浮かんだイメージを形にしてゆくのすら困難な事。日々腕を磨いて行きたい。
それはそれで正しい事だと思います。
しかし一方で、最初の頃に抱いていた人形に対する純粋な憧れや理想像が、しだいに薄れてゆくような気もします。
自分が思う、美しい、可愛い。
その姿は常に変化してゆき、なんとかして捉えようと必死になっているうちにふと、何をすれば良いのかわからなくなってしまう時が度々あります。
自分は人形の何に惹かれていたのか。人形を作る前は何が好きで、何をしていて、何を求めていた時に人形に出会ったのか。
人形を作る事で何が出来ると思ったのか。
どんな人形を作りたくて始めたのか。
なぜ人形を作ろうと思ったのか。
これから先、自由に作ってゆく為には今一度思い出しておく必要がある気がしたのです。
Dolly Tales 終了しました
『Dolly Tales』盛況のうち無事終了致しました。ご来場いただきました皆さま、気にかけてくださった皆さま、ありがとうございました。
今後も展示などの情報をブログでお知らせしたいと思います。よろしくお願い致します。
周(あまね)
Dolly Tales 開催中です。
人形展『Dolly Tales』ヴァニラ画廊で開催中です。8人の作家による個性豊かな作品が並んでおります。ご来場お待ちしております。
Dolly Tales
こちらの展示に参加致します。
http://www.vanilla-gallery.com/archives/2017/20171024b.html
人形による童話の世界です。
お時間がありましたら是非遊びにいらしてください。
周